ホメオパシーとの出会い
私が初めてホメオパシーに出会ったのは15年ほど前のロンドンです。当時仕事でロンドンに赴任していた私は、多忙な日々を送っていました。
私が初めてホメオパシーに出会ったのはロンドンです
私が初めてホメオパシーに出会ったのは15年ほど前のロンドンです。当時仕事でロンドンに赴任していた私は、多忙な日々を送っていました。
持ち前の頑張り屋の性格も災いしたのでしょう、無理を重ねるうちに、とうとう潰瘍性大腸炎にかかってしまいました。1日20回にも及ぶ下血と発熱があり、それを抑えるために大量の薬をとっていたのですが、頼みの薬も効果がなくなる時がきました。
潰瘍のある腸を切って取り除く手術を勧められ、ひょっとしたら人工肛門になるかもしれないというのです。自分なりに人に迷惑をかけず頑張ってきたのに、どうしてこんなことになってしまったのかと、暗澹たる気持ちで日々を過ごしていました。
自分の性格や生い立ちを1時間話した末に出されたのは、たった4粒のレメディー
英国王立ホメオパシー病院そんなある日、ホメオパシーという療法を知り、ホメオパス(ホメオパシーの療法家)を訪れることにしました。初めて会ったホメオパスは白衣も着ておらず、こちらを見てただやさしく微笑んでいるだけでした。
一時間の診察は、ほぼ私の性格や生い立ちへの問診に終始し、潰瘍性大腸炎については一言しか聞かれませんでした。「何故この人は私の性格や性質ばかりきくのだろうか?やっぱり私は騙されているのか?」そう訝しく思っていると、 彼から3ミリ程度の丸い砂糖玉を4つ渡されました。
「こっちの2粒はがん細胞、こっちの2粒はヒ素から作ったものです」
驚きのあまり、思わず「人のがん細胞なんて飲みたくない、ヒ素なんて飲んだら死んでしまう!」と言うと、「これは原物質を何も含んでいないのです。原物質の気(エネルギー)を取り出し、薄めて活力を入れたものですから、あなたの体や心、そして魂に効いていくのです」と不思議なことを言いました。
帰り際、彼はにっこりと笑って「また1か月後にね」と言いました。
長年閉じ込めていた涙や感情が一気に溢れ出す
半信半疑の私は、その砂糖玉をとることに躊躇がありましたが、せっかくお金を支払ったのだからと、その晩から 1粒ずつ4日間とりました。
レメディーがなくなった5日目の朝、私は背骨と腰の痛みで起き上がることができませんでした。良くなるどころか悪化している、と思った私は、すぐにホメオパスに連絡しました。電話に出た彼は、「よかったね。そうやって直っていくのですよ」その一言で電話を切ってしまいました。
「やっぱりあいつは詐欺師なのだ!」心から思いましたが、起き上がれなくなってから3日目、4日目になるとどんどん体調が 良くなっていきました。気がつくと下血がなく、2週間目には血便・粘液便がすっかり止まっていたのです。
それから感情の噴き出しが始まりました。泣いたり、怒ったり、悔しがったり。過去にあった苦しみや屈辱や悲しみがどっと堰を切ってあふれ出してきたのです。
そんなある日、ふと庭を見ると、クロッカスやビクトリアプラムの花が咲いているのが目に入りました。冬の寒さの中でも、けなげに花を咲かせている花たちの姿を見ているうちに、ありがたくてありがたくて涙が溢れてきました。
その日を境に、毎日がすがすがしく美しく楽しいと感じるようになり、これまで時間に追われてビクビクしていたことが ばからしく思えてきました。
そして、私は、自分が心から生まれ変わったのだということを悟ったのです。
プライベートがなくなるほどホメオパシーに没頭、それでも充実した毎日
さあ、それからが大変です。私を生まれ変わらせてくれたホメオパシーを勉強するために、仕事を辞めてしまいました。
1年目はクラシカルホメオパシーの学校に行き、2年目から大学院まではプラクティカルホメオパシーを学びました。日本人は一人もいない環境の中、ラテン語、万葉英語、ギリシャ語で行われる授業は難解で、大学から帰ってくると毎日のように 泣いていました。ホメオパシーの勉強とホメオパシー健康相談に明け暮れた10年間は、パーティーに行ったことも映画を見たこともなく、いわゆる普通の人生の 楽しみは一つもありませんでしたが、心も体も満たされて大変充実した日々でした。
私に、本当の魂の性格を取り戻してくれた奇跡の療法ホメオパシーは、普通の楽しみがなくても、それらを補って余りある ほどの魅力がありました。
人は病気になるのではない、病気の元となる考え方が人を病気にさせる
人が病気になることには様々な要因がありますが、なかでも一番大きな要因は心のあり方です。
自分の中にあるネガティブな考えや思いが、人を病気にさせるのです。憎んだり、妬んだり、自分を卑下したりせず、規則正しい生活と健やかな心を保ち続けていれば、人は健康でいられます。
また、本来の自分を偽って生きることも病気の要因となります。人はこの世に何らかの果たすべき役割を持って生まれてきますが、魂が持つ目的を見ようとせず、本来の自分を生きないことによっても人は病気になります。
ほかにも、遺伝的な問題に加え、近年の環境破壊や食による人体への影響など、様々な事柄が病気の要因として挙げられます。このように現代社会を生きる私たちは、体の中に病原体に侵される土壌がすでにできあがってしまっているのです。
ホメオパシーでは、一つの病気に対して、一種類のレメディーで対応します。
ホメオパシーの始祖、ハーネマンの時代には、通常一人一種類のレメディーで症状に対応できましたが、現代人は環境や食の問題に代表される病因やストレス、また予防接種や薬剤による症状の抑圧等による医原病を抱え、複数の病気が複雑に絡み合っていることが多く、一人一種類のレメディーでは到底追いつきません。
レメディーの多種投与は、私たち現代人には必要なことであると言えるでしょう。
レメディーを選ぶこと=自分を客観視し、本当の自分に出会うこと
1つのレメディーは、感情や心、そして症状を持った、生きている一人の人物像そのものです。
1つのレメディーの中には、行動、感情、精神、症状のような様々な特徴が収斂され、一つの像をなしています。それらの像はあたかも、場所や時間を超えて人類が共通して持つ心の構造とも呼べるものを象徴しているかのようです。
人の精神的傾向と肉体的症状は無関係ではありません。体は心の影響を受け、そして心も体の影響を受けています。一つ一つのレメディーは、多様な人物像をあらわすと同時に、病気をもたらす心や体の状態をも表しているのです。
もしあなたが病気になった場合、その原因に気付かせてくれるのは、自分自身のこだわりと同じ特徴をもつレメディーたちです。それらレメディーの特徴を調べることによって、自分のくせや考え方など、多くの気付きがもたらされることでしょう。
自分に合ったレメディーを探すという行為は、自分自身を発見する過程そのものなのです。
そうやってレメディーを探していくうちに、レメディーが持つ像の中に、新たな自分を発見するということもあるかも知れません。
ホメオパシー=人間学
ホメオパシーの勉強とは、つまるところ「人間学」とも言えるものです。
ホメオパシーの面白さや奥の深さは、ホメオパスを興奮させ、彼らを更にホメオパシーへとのめり込ませていきます。そして、ホメオパスの選んだレメディーをとってホメオパシーのミラクルを体験したあなたも、同様にホメオパシーにのめりこんでいくことでしょう。
私は、一人でも多くの方が心のこだわりをなくし、本来の自分らしさを取り戻せるようにと、ホメオパシーを皆さんに伝えてきました。それと同時に、「自分の健康は自分で守る」という考えをより多くの方に持っていただきたいとも考えてきました。
病気を治すのは本当は自分自身なのです。
そのためには、あなたが「あなた」自身を信頼し、自己治癒力を取り戻すことが必要となってきます。
また、勇気を持って自分を見ることも重要です。自分が何にこだわり、どこで心の流れを詰まらせて病気になってしまったかを、客観的に見ることにより、より早く治癒へと到達することが可能となります。
ホメオパシーを使って、あなたがあなたらしく、明るく健やかな毎日を送られることを願っています。
センター創立の思い
私たちは日々の生活の中で心が疲れて行きづまってしまい、その結果、病気となって現れることが多くなっています。
私たちは日々の生活の中で心が疲れて行きづまってしまい、その結果、病気となって現れることが多くなっています。
私たちは日々の生活の中で心が疲れて行きづまってしまい、その結果、病気となって現れることが多くなっています。ですから日々、皆さんが悲しかったり、つらかったり、しんどかったりと心がつまることがあったときは、自分自身を見つめると同時にレメディーをとられ、そのつど自分の心の問題を解決をしていけば、体が病気になることはないと思うのです。
発熱や発疹など浄化としての急性症状も同じです。症状を抑圧することなくレメディーでその都度出し切ることが大切です。実際、急性症状や急性の感情のつまりには、ホメオパシーのレメディーはとても合います。そういう意味で、ホメオパシーはセルフケアにとても役立つものです。
しかしそうは言っても、私の相談会に来るクライアントさんは重病人の方が多く、皆さんいろんな意味で大変な病気を抱えています。また難病は患ってはいなくても、誰にも相談できず一人で悩んでいる人も大勢います。
プロのホメオパスが常時いるホメオパシーセンターがあればどんなによいだろうと思いました。
日本でホメオパスとして活動を始めた当初、そんな人たちを治癒へと導いてあげるプロのホメオパスが常時いるホメオパシーセンターがあればどんなによいだろうと思いました。そして救急の場合にも対応でき、好転反応や症状のつらさを訴えるクライアントからの電話に対応できるそんなホメオパシーセンターがあったら、どんなに素晴らしいことだろうと思っていました。
そんなおり、ホメオパシー先進国のインドに行く機会があり、インドのホメオパシーセンターを見学に行くことにしました。インドのホメオパシーセンターに行くと、骨折している人、皮膚がぼろぼろになっている人など、長い行列ができていました。それはホメオパシー療法を受けるために順番を待っているクライアントさんの行列だったのです。行列の先頭に着くとそこには、5名のホメオパスがいて、次々にクライアントを見ていました。そして急患が運び込まれると優先して対応していました。その様子を見て圧倒されると同時に、日本にも早くホメオパシーセンターを作らなければならいという思いを強くしたのを覚えています。
そうして、まずはじめに日本ホメオパシーセンター東京本部を立ち上げました。
そうして、まずはじめに日本ホメオパシーセンター東京本部を立ち上げました。今では日本ホメオパシーセンター東京本部には、35名のホメオパスが籍を置き、日々クライアントを見ています。そして応急相談を随時受け付けたり、電話相談、インターネットによるスカイプ相談、手紙による通信相談などさまざまな方法によるホメオパシー相談を受け付けています。
そうして現在、東京本部センターを筆頭に日本ホメオパシーセンターの数は2021年9月現在、全国350箇所あり、地域に根ざしたホメオパシー療法の提供ができつつあると感じています。
今後は、日本ホメオパシーセンターが地域の医療機関と連携して、人々の真の健康に貢献していくことができたらどんなに素晴らしいだろうと願っています。
日本ホメオパシーセンター 総センター長 由井寅子
ホメオパスとしての想い
私たちは人生の苦境に立ったとき、それを乗り越えるために本来の自分の思いとは別の仮面をつけそれらを乗り越えることがあります。
ホメオパシー療法では「自分を癒すのは自分のみ」と考えます。
私たちは人生の苦境に立ったとき、それを乗り越えるために、本来の自分の思いとは別の仮面をつけ、それらを乗り越えることがあります。
人生のなかでつけなければならなかった、本当の自分でない、たくさんの仮面たち。ホメオパシーをはじめると、それらの仮面がすこしずつはがれていきます。
長年にわたって貼り付いていた仮面は一気にはがすことはできません。少しずつ、一枚一枚、時間をかけてはがれていきます。
本来の自分ではないとはいえ、長い間身についていた仮面をはがすには、痛みを伴います。
古い、自分でない自分がはがれていくとき、産みの苦しみのような、今までの自分が崩れてしまうような感覚を覚えるかもしれません。
しかしその痛みや苦しみは、あなたが本来持っていた自然治癒力が動き始め、自分自身を癒し始めたサインなのです。
ホメオパシーは薬と違って、すぐには結果がでません。
ホメオパシーは薬と違って、すぐには結果がでません。自然治癒力によって、自分の力で少しずつ体毒を押し出し、自分の力で治していくのがホメオパシーです。
あなたを癒すのはあなた自身なのです。ヒーラーはあなたの外(そと)にはいません。
そうして体毒が出きったとき、あなたは真の健康を体感することができます。
さまざまなしがらみを脱ぎ捨て、本来の自分に戻ったあなたは、魂から湧き上がるような喜びと爽快感に包まれることでしょう。人は、自分らしく生きることが何よりも大切であり、自分らしく生きている姿が一番美しいのです。
私たちは、生まれてきたときは、皆つるつるのまるまるの素晴らしい人間です。
ただ、苦しい人生の中で様々な仮面をつけざるを得なかっただけなのです。
ホメオパスは、あなたがつけてしまった仮面と同種のレメディーを選び出し、その仮面をはがすお手伝いをさせていただきます。そして、あなたが本来の自分を取り戻し、心からの笑顔を見せてくれるようになることを、私たちホメオパスは無上の喜びとしています。
一人でも多くの方がホメオパシーによって、心身ともに健やかな人生を送れるようになることを願って止みません。