女性40代京都府あれ程、憎んでいた父親と旦那ですが、今は許せる。というより責めきれないという気持ちです。それよりも何よりも、娘はこんな私から生まれたとは思えないほど明るく育っていつでもニコニコです。彼女が私のもとに生まれてきた事に感謝しています。

小さな頃から父に一度も本心を話したことがありませんでした。
いつも底知れぬ恐怖を感じ、言葉が出なくなるんです。辛くなると、この世から消えてしまいたい気持ちになっていました。 それでも父が怖くて結局はいい子でいるしかないのです。

<幼い頃>

私は仕来(しきた)りと柵(しがらみ)多い旧家に、長女として、一人っ子として生まれました。
小学生の頃から父親に「この家に相応しい振る舞いをしないさい」と教育された為か、今思うと大人しい子供でした。
祖母と父は男の子を産めない母親を蔑(さげす)み、母の行き場のない気持ちは、私へ当たり散らす事で解消していました。 母が鬱病になって離婚する時、「私が悪い」「私が助けられなかったんだ」落ち込みました。
祖母と父は「お前は駄目だ」「お前は何をやってもダメだ」というのが口癖で、何度も「男だったら良かったのに」と言われて育ちました。

<思春期>

思春期になり運動部に入り、表面的には元気に見られていたと思います。しかし、私にとって学校生活は苦しいものでした。
他の女子に嫌な思いをさせられても「やめて」の一事が言えず感情が高ぶり、心が荒れに荒れました。私の手首は、リストカットの跡だらけになりました。

年上の人に恋愛感情
なぜか、とても年上の人に恋愛感情を持ってしまう事が多く、叶わない恋愛だと解りながらも行き着くところまで止められない私がいました。 また、関係が深まり結婚を互いに意識し始めると「私も母のように子供を虐待してしまうんじゃないか」という不安に苛まれました。

<結婚>
縁あって、同じ職場で主人と出会い、結婚して娘が生まれました。
幸せな生活もつかの間、優しかった主人は横柄で暴力的な別の顔を見せ始めました。外出すると「どこで遊んで来たんだ、俺はだまされんぞ!」と言われ、家では「誰が食わしてやってると思うんだ!」という態度で、自分のやることはどこまでも無価値であるような態度でしたが、一言も反抗できず息の詰まるような夫婦生活でしたが、私が引きさがる事で夫婦の間はバランスをとっていました。

<ホメオパシーとの出会い>
この頃、偶然ホメオパシーにであいました。
由井先生の書籍を読み進むにつれ、グイグイ惹きつけられ、「私に必要なのはこれだ!」と直感的に思い、間もなくホメオパスの相談会を予約しました。
ホメオパスの先生は、私のこれまでの生い立ちに静かに関心をむけてくださいました。話下手な私ですが、幼い頃、母の記憶、父の記憶を手繰り寄せるうちに涙がこぼれていました。 そして、宝石のレメディーや、Staph.(スタッフサグリア)などをいただきました。
本格的にホメオパシーを始めた矢先、主人が職場の女性と不倫をしている事を友人から聞かされました。
レメディーを飲んだからでしょうか、その夜、主人が帰宅するのを待ち、耐えに耐えてきた感情が爆発しました。逆切れする主人に、恐怖で体が震えていましたが、自分でも信じられないくらい怒り、なぜか涙も一緒にでてきました。
この人といるのは、これ以上は無理だと思い、その夜、娘を連れて家を出ました。 夜風は冷たく、泣きじゃくる娘の握る手に力が入っていた事を今でも覚えています。

<原点>

父のいる実家に戻った私に、父は無情な態度でしたが、娘が来た事を喜び受け入れてくれました。
ホメオパスの先生との相談会は電話になりましたが、レメディーを飲むたびに、素直な自分の気持ちを感じ、詰まる事無く表現できるようになってきていると感じます。 また、由井先生の書籍だけでなく、『インチャ』『愛じゃ!』のセミナーにも参加できた事が、より自分の感情に素直になるきっかけを与えてくれたと思います(由井先生の言葉やケースの映像を見て沢山泣きました)。
夫と正式な離婚について電話したときも、声を荒げるた夫に怯むことなく「怒らないで普通に話をしてほしい」と言う事ができ、夫の言い分が自分勝手で、いつも言葉の暴力と、見下し、不倫した事までも私のせいと押し付けるのは許せないと言い返す事ができました。 世間の風は冷たく、そんな旦那でも一緒にいたほうがよかったのにと言われますが、あのまま自分の気持ちを殺し続けていれば、母親のように鬱になっていたと思います。
父親に対する恨みを持っている事に気づいていました。
何回目かのレメディーをとった時、父親に対する怒り、母親に対する無念と罪悪感で涙があふれました。 こらえきれず震える体で父親に対しての怒りをぶつけました。寡黙な父親は黙っていましたが、目に涙があふれていました。それを見て私も泣きました。今の父親は、覇気のあった昔の父親ではなく、孫に優しいおじいちゃんでした。
今思い返すと、年上の人に惹かれた事も、暴力性のある旦那に惹かれた事も、基をたどれば幼い頃にできたインナーチャイルドが原因だと実感します。
私は、癒えていない父親との関係の代わりを無意識に望み、磁石のようにそのような人を引き寄せていたのだと理解できます。
父親の涙を見るまで、私はインナーチャイルド癒しとは元夫や父親を責める事だと思っていたのかもしれません。
今は、誰も責める事はできないと感じています。 由井先生の言うとおり、全ては自分の問題。元をたどれば私の未解決の問題が旦那を引き寄せたのですから。
あれ程、憎んでいた父親と旦那ですが、今は許せる。というより責めきれないという気持ちです。
それよりも何よりも、娘はこんな私から生まれたとは思えないほど明るく育っていつでもニコニコです。彼女が私のもとに生まれてきた事に感謝しています。